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 『』と「」の使い分けって、一般的にはどういうものなんでしょうか。私は日本文学をやっている関係上かどうかは分かりませんが、一応日々苦心してポリシーを持って使い分けようとしては挫折しています。
 基本的には、「」の中には、単行本とか雑誌とかのタイトルでない作品名を入れ、そして『』の中には単行本とか雑誌とかのタイトルを入れます。これを「小さい作品名」『大きい作品名』とここで便宜上呼びます。
 たまに短編集的小説作品の単行本で表題作というものが存在することがあります。えーと、本に収録されている作品の一つが本自体と同じタイトルだったりする、あれです。例えば『舞姫』という本の中に「舞姫」と「(忘れましたすみません)」と「ふみづかひ」という三本の短編小説が収録されている場合。これは中の作品を「」でくくり、本自体を『』でくくります。ちょうど今私が上に書きましたように。逆に、同じタイトルが並んでいるのを見た時は、「舞姫」が作品名で、『舞姫』が本の名前なんだなっと、判断するわけです。どうでもいいですがここでいう『舞姫』「舞姫」とは、森鴎外の作品のことを指します。
 小学校で初めて「」と『』の使い方を習った時を憶えていらっしゃるでしょうか。「」は人物が喋る時に使う、『』はその会話文中に出てくる会話文に使う、と、習いました。もう少し敷衍して、「」の中に「」を登場させる時、『』を使う、と。例えば、「昨日、うちの妹が『私今日はとても機嫌がいいの。』って言いましたのよ。」「私、『ケータイ』ってまだ全部の機能を使いこなせないのですわ。」などのように使います。これは、「『』」という序列があるということと、ここでは呼びます。
 上にあげた二つの使い方、つまり、「小さい作品名」『大きい作品名』という使い方と、「『』」序列を尊重するという使い方、ですが、たまに困る時があります。会話文の中に小さい作品名を登場させる時にはどうしたらいいんだ、ということです。先にあげた使い方では、『』の中にある作品名に別の作品名が出てきた時には「」を用いますから、「『』」という序列(というのもおかしいですが)が存在しません。『川端康成「雨傘」の解釈』(そんなタイトルの書物は存在しませんが)とか、アリです。しかし、「『』」という序列に従って文章を作っている時、会話文の中に小さい作品名が登場した時にどうしたものか、迷います。「「舞姫」読みまして?」では「『』」という序列を壊しているし、「『舞姫』読みまして?」では、本を指しているのかその本の中の作品を指しているのか、字面からは見当がつきません。
 だから私は、普段はもう「『』」という序列をないものとすることにしています。つまり、「小さい作品名」『大きい作品名』に準拠しているということになります。先に習ったのは「『』」の序列を大事にすることだったので、若干心が痛みますが、仕方ないですね。
 これが、苦心した末の妥協で、毎回「」や『』を登場させようとする度に考えては妥協します。
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